あこがれのタイトリストのアイアン
804・OSレポート

「キャラウェイなんて、ゴルフクラブじゃない!」と硬派のおじさまゴルファーに言われたからというわけではないけど、憧れていたタイトリストのアイアンを入手しました。

そもそものきっかけは、今年の春先にホームコースのプロショップにタイトリストのアイアンのデモパレットが置かれたこと。フォージドステンレスキャビティの704と804・OSの、シャフトやライ角、シャフトの長さが違う6番アイアンがずらりと並んでいました。面白そうなので、ラウンドのたびに2本ぐらいずつ借りてコースで試打しました。804・OSはフェースの厚みやグース度がX-14ととてもよく似ていて、うちやすいクラブでした。でもX-14とまったく違うのは、ボールにとてもよくスピンがかかること。6番アイアンうち下ろしのショートで、グリーンで2,3バウンド目でぴたりと止まります。きゃ〜かっこいい!打感は最高。音も最高。私が昔よく見て勉強した、サイバービジョンビデオの中のヘイル・アーウィン大先生のアイアンショットと同じ音がします。飛距離はX-14と変わりませんが、スピンがかかって同じ距離飛びますから、多分キャリーが伸びてランが減ってるのでしょう。

そしてすごく欲しくなって、そしたらプロからカスタムフィッティングを勧められました。ちょうどいいタイミングで、PINGのカスタムフィッティングのデモデイがあるからサインアップしないかと。6月の半ば頃、ちょうどスウィングも安定してきてフィッティングしても大丈夫でしょう。参加してびっくり、車寄せにツアバンが横付けされていて、レンジにはPINGのテントが張ってあり、アイアンがつきささっていてウィールがついていてよくショップで見る演台みたいな箱も並んでいました。かなり本格的なイベントでした。上のダイニングの個室で集合し、アリゾナからやってきたセールスレップによるPINGの説明とビデオ上映、そしてランチがサーブされました。

ここからいよいよカスタムフィッティングです。まず地面から手の先までの長さを計って、PING得意のチャートでライ角の色を教えてもらいます。私はオレンジか赤でした。そしてレンジへ移動し、実際のショットを見てもらうのですが、打つ前に「あなたはどんなボールが欲しいのですか?」と聞かれました。これぞフィッティングの真髄。自分の欲しい球筋を手に入れる。私はすかさず、「ストレート!」と答えました。セールスレップさんはOK、とニンマリ。

ボールが当たると跡がつくシールをソールとフェースに貼って、硬質樹脂のボードの上でボールを打ちます。(ボードの上で打つなんてけっこうおっかなくて、第1球はトップしちゃいました。)打つときにソールの手前側をこすってるときはシャフトを短くするとか、フェースの外側に当たってるときはライ角を寝させるとか、いろんな組み合わせがあって、「これ打ってみて」「これ打ってみて」「ボールはどっちに行った?」この会話を繰り返しながら、言われるままに、レップがパレットから出してくる様々なスペックのアイアンを打っていきます。これ面白いです。最初は左右に振れていたボールが、クラブを変えていくうちにストレートになっていくのです。スウィングは変えていないのに。

「あなたは1/4インチシャフトを短くして、ライ角を2度から3度寝かせたほうがいい」ときっぱり言われました。このレップ、グレッグさんは、ゴルフはすごく上手そうなのですが、私と同じぐらいの身長しかありません。彼はフィッティングのエキスパートで、ずっと全米を回ってるそうです。何万人のゴルフスウィングを見ているので、見ればどのスペックがその人に合うのかすぐ分かるそうです。すご〜い。そしてずっとスチールシャフトばかり打たされるので、「グラファイトにしたほうがよくない?」と聞いたら、"U, Uh"と大きく首を振られました。「あなたぐらいのゴルファーは、スチールにしたほうがよっぽどソリッドにボールを打てるから。今は軽いスチールがあるからそれにしなさい。」「じゃあ、それください」って感じ。

グレッグには申し訳なかったのだけれど、PINGのフィッティングのカルテを使わせてもらい、タイトリストのアイアンをカスタムフィッティングでオーダーしました。1ヶ月ぐらいかかりますが、お値段はレギュラー品と同じ。一時帰国から帰ってきたら、プロショップに届いていました。これがアイアンについてきた、スペックシート(クリックすると拡大写真が出ます)。

 
新兵器を受け取ってその足でレンジへ。新品でもったいないから、8Iを1本だけ持って行きました。あとはオリジナルのX-14。この日はたまたまアイアンの調子が悪かったのか、ヘッドがバラつくのが自分で分かっちゃうぐらいX-14の方向性が定まりませんでした。我慢してひととおり打った後、さあ新アイアンの筆下ろし。「きゃ〜すごい。」「すごいよ、ほんといいよ。」誰もいないレンジで独り言の連続。クォーターインチ切ったから若干短くなってすごく打ちやすいし、なにしろシャフトのおかげで安心して振り抜ける。そして止まる。打感はソフト、ボールがよくつかまってるのが分かる。あまりに気持ちがいいので、また車に戻って全セット引っ張り出してきてしまいました。

もう使い始めて10ラウンドぐらいしましたが、ようやく馴染んで来た感じです。8I以下のヤーデージが若干X-14と違う(5ヤードずつ伸びた)ので、距離感の違いに慣れないといけません。でも打感と方向性がよくなってとても気に入っています。あと、やっぱり3Iを使えるようになりたいなあ。

 

実はPINGのビデオを見て、頑固に高品質の製品をつくろうとするPINGの姿勢に感動してしまいました。例えば、工場はすべて手作業。アイアン1セット作るのに携わる人は実に78人。すべてのセットがシリアルナンバーで管理されていて、どんな昔に買ったPINGのアイアンでも、例えば8Iをなくしちゃっても同じスペックで作ってくれるそうです。キャスティングの製法も独特だそう。型から出てきたヘッドをいったん炉に入れて熱を加えて、金属の分子を均質にして強くします。1度ロフトを立てるのに、一たん2度寝かせてから3度立てると、たたかれて締まって強くなる。軟鉄の鍛造クラブだと、使っているうちにロフトは変わってきちゃうと言っていました。ドライバーからパターまですべてのクラブのカスタムフィッティングをしてくれるのは、数あるメーカーの中でPINGだけ。PINGはウェイトバランスもフィッティングしてくれます。セールスレップのグレッグはこう言っていました。

「クラブに合わせてスウィングを変える必要はないのです。あなたのスウィングに合ったクラブを持てばいい。」

カーステン・ソールハイムさんの心意気はずっと生き続けているのですね。

 


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