重心距離のヒミツ

〜ドライバーの重心距離がスウィングを変える〜

2004年新春特大号はいきなりウンチクレポートです。とあるゴルフ雑誌の、重心距離に関する記事を読んで、目からウロコが落ちました。それまで重心距離なんて言葉すら知らなかったのに・・・。これ、私はとてもスゴイことだと思ったので、紹介しちゃいます。去年の夏にドライバーを変えてから、ずっとずっと温めてきたネタです。<ドライバーの重心距離がスイングを変える>ちょっと長いですけど読んでみてください。

だいたい新しいクラブは、変えて5ラウンドぐらいはすごく調子がいいものです。最初は慎重に打ちますから。しかし7,8ラウンド目ぐらいから、欲が出てきて球が曲がり始めます。そして10ラウンド目ぐらいには、ちゃんと飛ぶかしらという悩みも生じて来て、ぐっちゃぐちゃになっちゃったりします。しかし、「いいと思って買ったのに、おっかしいな〜」などとは考えずに、そんな時でも慌てず騒がずレンジで調整を続ければ、「ちゃんと飛ぶスポット」が見つかり、ここでようやく自分の体に馴染んだクラブとなるわけです。「自分に合ったクラブを買いましょう」っていうフレーズをよく耳にするけれど、調整なしでパッチンパッチン当たり続けちゃうクラブに出会える確率は、多分とても低いと思います。それはそれですごくラッキーなことだけれど、ラッキーじゃないフツーの人はまず、クラブに自分のカラダ(=スイング)を合わせなくちゃいけないのです。

そう。これはクラブの変遷にあわせて自然と変化してきたスウィングのお話です。ドライバーの変遷をざっと見てみますと、70年代に登場したカーボンシャフト、80年代に主流となったステンレスヘッド、そして現代のチタンヘッド&カーボンシャフト、さらに次世代のチタン・カーボン・ステンレスコンポジットヘッド。スウィングの変化を語る際に重要となるクラブのスペックファクターは、重心距離なのだそうな。重心距離って何?重心距離が長くなると、スウィングはどう変わるのでしょうか。


「重心距離」とは、左図で示した薄茶色の斜めの線の長さのことです。シャフト延長線上からヘッドの重心(=スイートスポット)に垂線を延ばした際の、その両者間の距離を言います。
ヘッドの容積がどんどん巨大化していく今、モデルによって重心距離は10mm〜15mmも変わってきます。ヘッドが大きくなり、フェースが深くなるにつれて、重心距離は長くなっていきます。
 シャフトの真下にヘッドがくっついてさえいれば、ゴルフはこれほど難しくなくて、けれどもボールは遠くへ飛ばないのだとか。シャフトとヘッドのズレ、これが重心距離です。
■ まずは自分のドライバーの重心距離をチェック!
 「一般的な知識よりも、もっと具体的でマニアックな情報を」がモットーのクレゴルならではの、ドライバーの重心距離表を作りました。目安としては、平均値が35〜36mmで、38mmを越えると重心距離の長いモデルです。(詳細なスペックリストは、こちらにあります。)Callawayモデルが意外と短いのには驚きました。975JVSから983Kに変えた人などは、要注意!!
メーカー モデル 重心距離(mm)
Callaway Great Big Bertha II+ 33.0
Callaway ERCII 31.4
Callaway C4 33.0
Callaway Hawk Eye 31.9
Titleist 975JVS 31.1
Titleist 983K 38.0
Titleist 975D 37.3
TaylorMade R510TP 39.0
TaylorMade R510 36.4
TaylorMade R580 38.6
PRGR TR-X Duo 34.6
Mizuno T-Zoid 34.4
 
■ 重心距離の長さについてのポイントは2つ。
 ポイントひとつ目は、重心距離の短いヘッドはヘッドスピードが上がりづらく、逆に重心距離の長いものはヘッドスピードが上がりやすいという特性です。重心距離が短ければ、ヘッドスピードを上げるためにそれなりの工夫が必要となり、それに対して重心距離が長いものほど、ヘッドの重みに任せてスイングするだけでヘッドスピードが自然に上がります。
 もうひとつのポイントは、重心距離の短いヘッドは、瞬時のヘッドターンが可能ですが、重心距離の長いものは、即座にフェースをターンさせるのには無理があります。
■ 重心距離が生むスイングの違い
 これらのポイントを踏まえて、重心距離が短いドライバーでは、ヘッドスピードを上げるためにフェースを開いて閉じる、フェースローテーションを取り入れたスイングになります。具体的に言うと、テークバック後すぐにコックでフェースを開き、そしてインパクトのぎりぎり直前にコックをといて、フェースをターンさせて打ちます。
 いっぽう重心距離が長いドライバーでは、意図的にフェースローテーションを加える必要がなく、フェースを閉じたままテークバックし、コックは一切なしで、そのまま振りぬくスイングとなります。
★ ここでスウィングチェック!
<重心距離が短いドライバー>

すでにフェースが開いている トップの位置で、フェースがを向く

<重心距離が長いドライバー>

 
フェースを閉じたままクラブを引く トップの位置で、フェースがを向く
■ トウダウン
 ゴルフのスウィングでは、ダウンスイング時に「トウダウン」という動きがあり、ドライバーではその割合が特に大きくなります。トウダウンとは、ヘッドの重心がシャフトの延長線上(真下)に入ろうとして、ヘッドのトウ側(先っちょ)が下に下がり、シャフトが湾曲する動きのことです。重心距離の長いほうがヘッドが大きく下がり、トウダウンが激しくなります。クラブの先端が落ちる分、肘が上がり、ハンズアップ気味になります。
■ 重心距離は手の位置まで決める
 スイングの違い、トウダウンの度合いが、アドレス時の手の位置にも表われます。アドレスする時に、ハンズダウンすればコックしやすくなり、手首を伸ばせばコックしにくくなります。重心距離の短いドライバーでは、コックしやすいよう、構えがハンズダウンになります。
 いっぽうで、重心距離の長いドライバーでは、トウダウンと遠心力が影響して、構えがハンズアップになります。
★ ここでスウィングチェック!
<重心距離が短いドライバー> −ハンズダウンとウィークグリップ
     
<重心距離が長いドライバー>−ハンズアップとストロンググリップ
■ 相性−「5年殺しの重心距離」
 一般的には、ヘッドスピードの速い人は重心距離の短いドライバーと相性がよく、ヘッドスピードの遅い人は重心距離の長いドライバーが適しています。また、フェースのターンがない分、重心距離が長いドライバーのほうが、ミート率・正確性は高くなります。
 アイアンにも重心距離の長い短いがあります。ドライバーの重心距離が長めならアイアンのそれも長め、というように、ドライバーとアイアンは同じ系統のものを選ぶのがいいそうです。重心距離とスイングがマッチしていないと、アイアンに影響が出てきます。少しずつ少しずつスイングが壊れ始め、3年、5年のスパンでだんだんとアイアンが打てなくなるそうです。怖い怖い、「5年殺しの重心距離」。(年末にやったアンビリバボーの怪奇特集とどっちが怖い〜??)
★ R510TPは重心距離が長い
 私もさっそくスウィングチェックをしてみてびっくり。TaylorMade R510TPに変えてから、まさにグリップはストロングに、構えるときの肘は上げたし、トップの位置でのフェースはバッチリ上を向いています。R510TPは、前のドライバーERCIIに比べて、重心距離がずっと長いドライバーだったことも分かりました。
 私のケースですが、重心距離の長いドライバーに変えたときは、むしろフェース・ローテーションを自分で意識しました。無理して回すというのではなく、左手の人差し指と右手の親指でフェースの向きを感じながら、振りぬいていくという感覚です。前よりも、「あっ今フェースが返ってきてるな」というのがよく分かり、ゆっくり返って来るのを待ってあげながら当てて押して行くと、うまく行った記憶があります。
 ハヤリのスイングというのは、ただなんとなく流行っているのではなく、その時に出ているハイテククラブを使いこなすために必要なスイングだったのですね。スイングは生もの、環境に合わせてどんどん変貌・進化していきます。

 気持ちが悪くてスウィングを変えられない?そりゃそうです。ドラスティックに変えてしまうのは破壊の元。でも、私は上手に打てないのはやっぱりイヤなので、ひたすら打ってレンジで調整します。「調整」なんていうとカッチョいいですが、やってることは実に原始的です。たまたまきちんと当たった時、「あれ?今の感触良かったな、どうやって打ったっけな?」「こうだったかな」「違う」「じゃこれは?」という試行錯誤を繰り返していきます(自然と独り言が多くなる)。新しいドライバーが安定したあと、しばらくしてERCIIを打ってみたら、ひっかけが出てちっとも飛びませんました。面白いですね〜。新ドライバーに合わせて変えたスウィングでは、古いドライバーは打てませんでした。

 あなたのヘッドはトップで上を向いている?それとも前を向いている?
 さあ、リビングのミラー前へGO! そしてドライビングレンジへGO!

 

■おまけ−アイアンの重心距離■
Callaway X-14 45
Callaway Hawk Eye VFT 46
Titleist DCI 990 36
TaylorMade Burner Titanium 43
Mizuno Pro JP 33
Mizuno T-ZOID M-3 38